第14章 代償
硝子の顔を見たら何だか余計に泣きたくなった。
「意識、戻って良かったよ…ホント心配したんだからね?
今回はマジでやばかったんだから。」
硝子の顔を見上げると目の下の隈が濃くなっているように見え、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
『・・・・ごめんね…あと、ありがとう。』
「いや、いいよ…が生きていてくれただけで充分だ。
・・・それより夏油から話は聞いたよ。大丈夫?」
『〜〜〜っ、、、』
コクッと頷くしか出来なくて、目をぎゅっと瞑った。
「・・・・誰も傷つかない恋愛なんてないでしょ。」
硝子は近くにあったティッシュを手に取ると、そっと私の目尻から流れる涙を拭ってくれた。
今まで自分がしてきた恋愛は所詮恋愛ごっこだったんだなと痛感する、、、
こんなに胸が苦しいなんて知らなかった…
心が擦り減ってまるでナイフで切り刻まれたかのように胸が痛い…。
誰も傷つかない恋愛なんてない。
その通りだと思う。
でも、、、それでもやっぱり、、、
別れを告げさせて、それでも尚私の幸せを願ってくれる傑を裏切ってしまったのだと思うと、やるせない気持ちでいっぱいだった。