第14章 代償
1人きりになった病室でただただ天井を眺めていた。
途中、処置をしに来てくれた看護師さんが一点を見つめる私を心配して声を掛けてくれたけど、言葉を返す事すら出来なかった。
突然の別れ。
傑と過ごしたこの1年間がぐるぐると頭の中で回る。
あの大きな手も、優しい笑顔も、低くて柔らかい声も、甘い言葉を囁きながらするキスも、、、、
全部、全部好きだった。
好きだったのに、、、
いつからだろう。
アイツの事を目で追うようになったのは…
脳裏に浮かぶのは、いつも私をからかっておどける五条の顔。
傑の事が好きだと言いながら、どんどん五条に惹かれている自分がいた。
そんな自分を認めなくなくて…
ずっと気持ちを誤魔化してきた。
けど。
傑は気付いてたんだ。
優しい傑を傷つけて…別れを切り出させて、、、
ーーーーほんとサイテー。。。
天井が涙で歪んで見える。
その時
コンコンとドアをノックする音が聞こえ、目線を向けると、硝子がドアの所に立っていた。
「。入るよ?」