第14章 代償
「・・・・・・・・は?」
ーーーーーこれは、、、幻か?
目の前のは目を大きく見開き、あろうことか僅かに頬を染めている。
ついに幻覚まで視えてしまったのかと、瞬きを繰り返していると再び小さな口が動いた。
『・・・そう、、なの、、?』
「待て、、待て待て待て待て、、、ちょっと待て。」
勢いよく立ち上がった拍子で椅子が音を立てて倒れた。
の意識が戻った事の喜びと、俺の話した内容をまるでずっと聞いていたかのような口ぶりに頭の中はパニック状態だ。
そんな時、
ーーーーッ⁈⁈
背後に視線を感じ、バッと勢いよく振り向くと…
ドアが数センチ開き、その隙間から傑と硝子が中を覗いていた。
「・・・・お前ら、、嵌めやがったな⁉︎」
俺がドアの方へと足を向けた瞬間、ピシャリとドアが閉まった。
アイツらぁ〜〜〜〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎
一気に頭に血が昇り2人の後を追おうと踏み出した所で、
『五条…、、、』
蚊の鳴くような声が聞こえハッと我に返ると、は瞳を潤ませ、何かを訴えるように俺の方へと手を伸ばしていた。
『行かないで、、、』
の口から甘えるようなセリフを聞き、胸が音を立てる。
ーーーーいや、、、その顔は反則だろ。
顔に熱が集まるのを紛らすよう頭をガシガシと掻き、徐ろに伸ばされた手を握るとベッドの端に座った。
「・・・行かねーよ。」
そう答えると、は安心したように頬を緩めた。