第14章 代償
1人でパニック状態になり、とにかく誰かを呼ぼうと手元にあるナースコールのボタンを押そうとした時、
ガラガラ
ドアが開き入って来たのは、
『ーーー傑、、、』
「・・・⁈」
傑は私の顔を見た瞬間、驚いた様子で目を見開いた。
「良かった、、、意識戻ったんだね…。」
側へと駆け寄り、ぎゅっと私の手を握り切なげに眉を寄せる。
『傑も…無事で良かった…』
「・・私の事より自分の心配をした方が良い。は昏睡状態で丸2日、眠ったままだったんだ。」
『・・・・丸2日も?』
パチパチと目を瞬かせる。
私、そんなに眠ってたんだ、、、
でも今はそんな事より…
『ねぇ傑、あれからっ、あの後どうなったの⁇あの男は?理子ちゃんは?・・・五条は⁇』
起き上がる事も身体を動かす事も出来ない私は縋るような視線を向けた。
「あぁ、そうだね…何から話せばいいか。
また傷口が開くといけないから落ち着いて話せる?」
コクコクと頷く私を見て、傑はふと口元を緩めると、手を握ったままベッド脇のパイプ椅子に腰を下ろした。
そしていつもと同じ、落ち着いた口調で私が意識不明だったこの2日間の出来事を話してくれた。