第11章 喪失
は朦朧とする意識の中、何かを訴えようと口を動かした。
「大丈夫だ、すぐに硝子んとこ連れてってやるからっ、、、」
けどはぎゅっと俺の制服を掴むと小さく首を振った。
『・・はや、、く、、いって、、
りこ、、ちゃ、、すぐ、、、る、、とこ 』
「ーー⁉︎ダメだ、先に硝子んとこ、、っ⁉︎」
言いかけた所での目から涙が一筋溢れ、思わず目を見開き足を止めた。
『おねが、、、、ごじょ、、おね、、ぃ、、』
今にも消え入りそうなか細い声で、ほとんど力が入らない手で、、、必死に俺に訴えかける。
何でだよ、、、
そんなにっ、、
そんなに傑が大事なのかよっ、、、
お前が俺とここに残る事を選んだ時、多少なりとも期待してしまった。
そんなワケねーのに…
お前はいつだって傑の事ばっかだったもんな。
ギリッと奥歯を噛み、人生で最悪な決断を下そうとした時、
「ーーーーー五条さーんっ‼︎‼︎」
聞き覚えのある声が聞こえ顔を上げると、