第11章 喪失
「・・・灰原⁇」
いつもならあまり相手にするのは面倒な後輩だが、今はアイツが救世主のように見えた。
何とかなるかもしれない、、‼︎
微かに希望が見え、俺はを抱き抱えたまま灰原の元へ急いだ。
「はぁ、はぁっ、、五条さん!大変です!
高専に蠅頭が溢れ返ってて、今七海達が祓ってるんすけどって、、、ちょっさん⁈⁈」
「灰原ッ‼︎いーか?今はお前が頼りだっ‼︎
を今すぐに硝子のとこへ連れてってくれ。
見ての通りいつ失血死してもおかしくない状況だ。」
「えっ⁈えぇっ⁇ちょっ、、五条さんは⁈」
有無を言わさず灰原の腕にを預けた。
「侵入者が現れた。俺は天内達の方へ向かう。
とにかくっ、、を頼むっ、、」
初めて見る五条の焦る姿に、灰原はコクコクと首を縦に振った。
「分かりました‼︎さんは任せて下さい‼︎」
「・・・あぁ。」
すでに腕から離した時、の意識は無くなっていた。
・・・大丈夫だ。
まだ希望は、ある。
来た道を戻って行く灰原の背中にチラリと視線を送りながら俺は最下層へと急いだ。