第10章 自覚と恐怖 流血、残虐な描写あり
『・・・⁉︎理子ちゃん…』
「妾の護衛は前髪と黒井が居れば充分じゃ。」
「ーーおいおい、天内まで何言ってんだ?」
「そなた達2人は最強なんじゃろ?
なら前髪は妾を、五条はを守るぐらい容易い筈じゃ。」
な?と言うように、私にアイコンタクトを送ってきた。
・・・理子ちゃんの計らいに止まっていた筈の涙がじわっと目尻に溜まる。
「ーーー分かった。」
傑が落ち着いた声で答えると、五条は天を仰いだ。
「マジかぁ…。」
「、最下層で待ってる。
だから約束してくれ、必ず悟と来ると。」
傑の顔が涙で霞む…いつもの優しい笑みが切なく歪んで見える。
『・・・うんっ、、すぐに追いつくから、待ってて?』
傑は眉を下げ、口元に笑みを浮かべ、
「あぁ。」
と頷いた。
そして五条の肩をポンと叩くと私達に背を向けた。
見慣れた背中が涙でぼやける。
ーーーーごめんね、傑。
傑の優しさにずっと甘えてた。
愛に飢えた私に沢山の愛情を注いでくれたのに、私はその愛情に応えられていなかったかもしれない。
約束、ちゃんと守って傑に自分の気持ち伝えないとーーーー。