第10章 自覚と恐怖 流血、残虐な描写あり
溢れる涙を誰にも気付かれないようゴシゴシと袖で拭うと私はある決意をし、理子ちゃんの元へ足を向けた。
「天内優先、アイツの相手は俺がする。
傑達は先に天元様の所へ行ってくれ。」
「…分かった。、行こう、、?」
私は理子ちゃんの前に立つとガバッと頭を下げた。
「なっ、どうしたんじゃ⁈」
『理子ちゃん、黒井さん、ごめんなさい。
私はここに残ります。』
「おいっ!ここは俺だけで何とかなる。お前は傑と、」
『嫌っ、絶対に嫌っ‼︎私も五条と戦う‼︎
足手纏いかもしれないけど、何の役にも立たないかもだけど、、、それでも今っ!
あんたと離れちゃいけないって、私の本能がそう訴えてんのっ‼︎』
腹の底から声を張り上げた。
五条1人を置いていくなんて出来ない。
私なんかが敵う相手じゃないのも分かってる。
ーーーー大事な人を失わない為に、私も戦うんだ。
「ーーお前、死ぬぞ?」
五条の低い声が冷たく響く。
けど、そんなんじゃ私の決意は揺らがない。
私を危険から遠ざけようとする不器用な優しさはもう知ってるから。
額には冷汗が浮かび、余裕のない表情の五条を真っ直ぐに見つめる。
『前に五条、言ったじゃない。俺といて死ぬとか有り得ないって。
あれは嘘だったの?』
「ーーーあれはっ、、」
「、五条と共にここに残ってくれるか?」
突然、理子ちゃんが言葉を遮るように前に出た。