第9章 星漿体②
「あやつ完全に調子に乗っておるな?
ーーーーー?」
『・・・えっ?あ、ごめん。聞いてなかった…どうかした?』
「いや、どうもしとらんが…。そんなに強く手を握られると跡になりそうじゃ。」
ハッと視線を手元に落とし、慌てて腕を離した。
『ごっ、ごめんっ‼︎力入れ過ぎた!痛かったよね…⁈』
「そんなやわではない。・・・・なんじゃ、もしかして嫉妬しておるのか?」
『ーーーーーはぇ?』
理子ちゃんの口から出たトンデモナイ発言に、思わず変な声が出た。
「アイツがチヤホヤされるのが面白くないんじゃろ?
それは俗に言う"嫉妬"ではないのか?」
『いやいや…理子ちゃん。ちょっと待って?
私は傑が好きで、傑と付き合ってるんだよ?
五条に嫉妬するワケないじゃん。』
すると理子ちゃんは手を腰に当て、私の前で仁王立ちになった。
「いーか。
恋はするものではなく、落ちるものらしいぞ?
要は頭では否定しても心は動き、体は反応してしまうのが"恋"じゃ。」
ドヤ顔で迫られ、思わずたじろぐ。
そこへ群がる生徒と教師を撒いた五条が走って来ると、理子ちゃんをガバッと抱え、そのまま外へと飛び出して行った。
早っ‼︎
そうだ、今は緊急事態。
余計な事は考えずに集中しないとーーー‼︎
地面を蹴り、私も五条の後に続いた。