第9章 星漿体②
『五条っ⁈⁈』
異常事態が発生したのだろう。
私はすぐに理子ちゃんの元へ駆け寄ろうとすると、それまでお淑やかだった生徒達が一斉に色めきだした。
「え〜〜〜〜〜⁉︎」
「誰っ?高校生⁇」
「背高〜〜い‼︎お兄さんグラサンとってよー」
次々と飛び交う黄色い声に気を良くした五条は、サングラスを外しキメ顔を決めて応えた。
呆れる私と理子ちゃんを他所に、サングラスを外した事で礼拝堂の中はさらに沸いた。
「「めっちゃイケメンじゃーん‼︎‼︎‼︎」」
『・・・・・。』
ーーーーー何だろう。胸がムカムカする。
調子に乗る五条にも腹が立つし、キャーキャー♡と黄色い声を出す生徒達、その生徒を注意するフリをしてこっそり携帯番号を教えようとしている女教師。
全部に腹が立つ。
悶々としながらも私は理子ちゃんの手を引き、安全を確保する為扉の方へと足を向けた。