第4章 地獄、落ちました
「……そうですね。とりあえず連れて行った方がいいかもしれません。後の事はそれからです」
また天使の声ようなが降り注いだ。
……と思うと、その瞬間チラッと遠方に小さな光の点ができた。
今まで真っ暗闇だったぶん、その一点が一際輝いて見える。
が、実はその光、白ではない。
光と言ったら皆真っ白い綺麗なものを想像するかと思うけど、全然違う。
それは血のように黒みがかった真紅の色だった。
ていうかほんとに血を一滴垂らしたものみたいだ。丁度それが光っているような感じで、ちょっと気味悪い。
……それに、なんというか、オーラみたいなものがすごく禍々しい。
ここから天国に繋がると思うと、なんか違うような気がしてくる。
「おーい!」
すると突然、また違ったところから、男の声が響いた。
恐らく他の人達と異なった声から、また別人のようだ。
ていうか何人いるんだろう。私を入れて五人ってとこかな。