第4章 地獄、落ちました
「だがあっちの準備は整っていない。こいつを連れてくわけにはいかねぇだろ」
「そうですが……」
「でもさぁ、このままここにほっぽっておくわけにはいかないじゃん?」
次々に言葉が流れていくため、私はじっと耳を澄ましていた。
あっちとは、天国とかの事だろうか?
そこに行かせるかここにとどまらせるかで抗議しているように聞こえる。
ていう事は、ほっぽかれるって、つまりここに残されるってことだよね。それは嫌。
暫く重々しい沈黙が流れる。
……多分この人達が悩んでるのって、私の処理とかの事だよね。
私が死ぬのに、何か都合の悪い事でもあるんだろうか。