第3章 陰抓楓乃、死にました
「きゃーーーー!!!」
「!」
突然、女性の悲鳴が大気を伝わって耳をつんざいた。
いきなりの事に、しゃっくりをしたように身体がはね上がった。
何、今の。
声の聞こえた方向を凝視すると、そこは細い裏道になっていた。
街灯は行き届かず真っ暗になってい て、無論人気はない。
でも、確かに悲鳴は聞こえた。
……もしかして何かやばいことが起こってるんじゃ、という考えが頭をよぎった。
周りを見渡すも誰もいない。行くにしても私しかなさそうだ。
……でも、この道通るのすごく怖い。
それに何もなかったら損だし。
「……」
私はどうしようか少し迷ったあと、何もなかったらすぐ走ればいいじゃんと心の中で呟き、声の聞こえた方へ行く事にした。
――――――――――
薄気味悪い……。
普段は適当にブラブラ帰っている道なため、こんな場所があるなんて知らなかった。
雰囲気からか、心なしかここだけ気温が凄く低くなってる気がする。
やっぱ戻ろうかな……。
そんな事を考えている時、曲がり角の向こうの方に人影が見えた。
まさか幽霊!?とか思ったけど、大丈夫。足がある。
そして更に進んだ時、私は口から心臓が飛び出そうになった。