第3章 おでかけ
ガチャ
「はい、私に出来る事なら言ってください!···まさかドラウスさんをバカにする輩が···?殴ります。メリケンサック用意しますね」
あわわ
「そんな物騒な事はないから安心したまえ、それに私は次期当主だからな。人間など簡単に消せる···!」
つい話した言葉に彩華は驚いた顔をしたと思い慌てて言葉を変えようとしたら··
「さすが当主様ですね。畏怖い!」
「彩、か··」
「ん?」
「···私が怖くないのか?言葉ひとつから滲み出る吸血鬼としての性が」
「怖くありませんよ」
「なに、嘘は良くな··」
私の目にうつる彩華はしっかりと私を見ていた
その姿が、○○と重なる
『坊や、私は少し眠るけどずっと見てるからね』
「ドラウスさん、何故」
すっ
「···泣いてるの?」
ぽろっ
「あっ··何故だ?何もないのに··これが歳か」
きゅっ
「ドラウスさんには大切な人がいる事は私も分かります。手を握っているので"内緒"にしますね」