第1章 01
気がつくと、知らない部屋に知らない女が居た。
ぱちりと瞬きをして、「君は何処から来たのかな?」と質問する女の首元にナイフを突き付けた。
「誰」と聞くと、特に声色も変えないで「ミコトって言うの」と言った。
ミコトが調べた結果、俺の居た世界と、ここは違う世界なんじゃないかって事になった。
俺が帰れるまで、ミコトが此処居てもいいと言うから俺は此処に居ることにした。
朝、ミコトに抱きしめられる形で目を覚ました。
ミコトはまだ寝てる。
大体、ちょっと不用心なんじゃないだろうか。
俺は男で、24歳の立派な大人だ。
今は、なんでか4歳くらいに戻ってたけど・・・。
まぁどうでもいいか。
ミコトは一体何歳くらいなんだろうか。
俺よりは随分年下に見えるけど、しっかりしてるようにも見える。
ジッとミコトを観察していると、小さく唸ってうっすら目を開けた。
「ん…おはようイルミ」
「おはよう、ミコト」
俺の背中に回っていた手が離されて伸びをするミコト。
そのまままた寝そうにうなっているミコトをジッと見る。
ふと思い出したように携帯を探してるミコトに目に着いたそれを渡すと、ありがとうと言って何かを確認すると、
体を起こして、テレビを つける。
「朝ごはん食べる?」
「うん」
「ごはんがいい?パンがいい?」
「ぱんがいい」
それを聞いてキッチンに向かったミコト。
しばらくして、トースト二枚と目玉焼きサラダを持って来た。
「何飲む?」
「コーヒー」
「ミルクと砂糖は?」
「いらない」
とまたキッチンに姿を消した。
コトリとおかれたマグカップにはブラックコーヒーが入っていて、「召し上がれ」と言うミコトに頂きますとパンに手を着けた。