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親ポジから恋人になる話【イルミ】

第1章 01



行き成り目の前に現れたのは長い黒髪の少年だった。

「えっと、君どこからきのかな?」
私の言葉と同時に首元に感じるのは冷たい刃物の気配。
「・・・・・・・・え」
おもちゃじゃない・・・。
「誰?」
「わ、私?私はこの家のものだけど…ミコトって言うの」
「ここはどこ」
「私の家、東京」
「とうきょう?」

大きなネコ目の子供は普通の子供じゃないのはすぐ解った。
コテンと頭を傾けて、とうきょう?とオウム返しに聞く姿が物凄い可愛い印象だった。

「日本の、東京。首都よ」
「しらない」
「貴方はどこから来たの?」
「パドキア共和国のククル―マウンテン」

全く聞いたことのない場所だ。
もしかして、パソコンで調べたら出てくるかもしれない。

未だに首に刃物があるまま話し続けてる私はちょっと変かも知れない。
もっとあわてるべきだと思う。

「私もその場所知らない。ちょっと調べてみるからナイフどけてくれる?」
と言うと、思ったよりすんなりとどける子供に一応安心はした。

パソコンの電源を入れて、すぐにインターネットでパドキア共和国と検索。
やっぱりヒットはなかった。

一体この子はどこから来たの。
気が付いたら目の前に居たという表現が正しい。

「やっぱり、この世界には、パドキア共和国もククルーマウンテンもないみたい。」
「・・・・・・・・・」
「これ、この世界の地図なんだけど、どこら辺に住んでたとかわからない?」

なんせ子供だ。地名の覚え間違いをしているのかもしれない。
そう思って、世界地図と日本地図をパソコンの画面に出して、子供を呼ぶと、ゆっくりこちらに来た。

少し背伸びをして、机に手を置いて画面を覗く姿がまた可愛くて抱きしめたくなるのを必死で抑える。
きっとこの子供は物凄く警戒心が強い子供だから。

「こんなの地図じゃない。俺の居た世界とは違う」

なんて言われてしまったら、もうどうしていいかわからなくなってしまった。

「とりあえず、名前教えてくれるかな?」
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