第5章 治療師×騎士団長
とある日の夜――
シェリーは魔法書の目次を見て、つい微笑んでしまった。
「『騎士団長』だなんて…!」
シェリーは逞しい男が好きだ。
鍛え上げられた身体に、ついうっとりとしてしまう。
『幼馴染』や『王子』での将来性のある細マッチョも良いが、出来れば屈強な男の人に力いっぱいめちゃくちゃにされたい、という願望がある。
「わ、私ったら何を考えて…!」
ベッドの上でじたばたと悶える。
現実のシェリーは処女のままだ。
それなのに既に魔法書のせいで濃厚な体験をしてしまっている。
これでは現実の男に満足しなくなるかもしれない。
そんな心配があったが、シェリーは期待した目で魔法書のページをめくる。
「今回も楽しみだわ…!」
シェリーの呟きは光に包まれて消えていった――