第9章 私のストーリー【番外編】
シェリーとシルフォードが結ばれてから、一ヶ月もしないうちに籍を入れ、二人は夫婦になっていた。
兄妹での結婚は稀にあるが、主に再婚同士の子供、つまり血の繋がらない者同士が結婚することが多かった。
しかし、半世紀ほど前に王族の姉弟が血の繋がった結婚をしたことにより、世間ではそこそこに認知された結婚だと言える。
血の繋がった結婚を反対する=王族への反逆とみなされるため、反対する者がいない…というのが正しいのだが。
ちなみに血が濃くなり、病気になりやすいとの理由から、血の繋がった者同士が子供を作ることは禁止されている。
空が明るくなり始めた頃、シェリーはゆっくりと目を覚ます。
「あ、起きた? シェリー」
耳元で愛しい人の声がして、シェリーはドキッとする。
ベッドで横になり、背後からシルフォードに抱きしめられていた。
「お、お兄様…何をして…」
同時に状況を理解してシェリーは焦る。
シルフォードの両手はやわやわとシェリーの胸を揉んでいたのだ。
「何って…シェリーの可愛いおっぱいを堪能してるところだよ」
「や、やぁ…朝からそんな…」
昨夜もたっぷり愛されて――というか毎晩愛されているのだが――シェリーは意識を飛ばすようにして寝てしまったのだ。
「朝から触ったらダメなの?」
「だ、だって…」
「だって、何?」
耳元で囁かれる度、おかしくなりそうだ。
そんなシェリーの反応を楽しんでいるのか、シルフォードがクスクスと笑う。
「気持ちよくなっちゃうから?」
「あぁぁぁっ!!」
両胸の飾りをギュッと指で摘まれ、シェリーはビクン!と反応してしまう。
「朝からいやらしい子だ」
「お兄様…いじわる、やめて…」
「嬉しい、の間違いでしょ。シェリーのおまんこ、びしょ濡れなんだろうな」
「そ、そんなこと…」
胸の飾りをグリグリと刺激されたままシェリーは首を横に振る。
「へぇ、濡れてないって? なら確認しなきゃね」
そう言ってシルフォードはシェリーから手を離すと、何故かベッドから下りていた。