第8章 私のストーリー
昔からシェリーを異性として見ていたシルフォード。
そのため妻にするならシェリー以外に考えられないと常々両親に話をしていた。
両親も親バカのため、シェリーに惚れてしまうのは十分に理解できるとしつつも、シルフォードに単純かつ明快な課題を与えた。
それはシェリーに愛されること。
そして、タイミング良くホラーハウスの中で愛を確かめ合えるチャンスがあると知った両親とシルフォードはミレーナに頼んでチケットを入手する作戦を立てた。
あの個室での試練は愛が無くてはクリアできないのだ。ただ気持ちよくなることはできるが、それだけでは魔法石は光らず、鍵が開かない仕組みになっている。
そしてシルフォードはシェリーの愛を得て、見事に課題をクリアし、温室でめでたくひとつになれた、というわけだ。
ちなみにこの男爵家では、当主が初めて妻と結ばれる時は、この温室でという謎のルールがある。
そして、跡継ぎは長女の息子が双子だったため、弟を養子に貰うことで話は済んでいた。
「ってことだから、シェリーはどこにもお嫁にやらないからね」
ぱぁん!と肌がぶつかり合い、シェリーは喘ぐ。
「シェリーは俺だけのものだから。一生俺だけに愛されてね」
「んっ…! あっ…私は…お兄様だけの…ものです…あぁん!!」
可愛い復唱にシルフォードはクスっと微笑む。
「本当にわかってるのかな? でもいいか、身体にたっぷり刻みつけてあげる。もう俺なしじゃ生きられない身体にしてあげるから」
「あぁん…幸せ…! お兄様ぁっ…!!」
それから日が暮れ、朝になるまでシェリーは抱かれていた。
意識を失う前に、どこかで聞いた女の声が頭に響く―――
『ふぅん。”妹×実兄”だなんて素敵。やっぱり貴女に素質があったのね』