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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第29章 本当は





「夏油、お前今日はここに泊まるか?夜蛾先生には私から伝えといてやるよ」



硝子の珍しく気遣うような言葉に頷きそうになるのをグッと堪え、握りしめていた掌の力を抜く。





「そうしたいところだけれど、もう私に…その資格はないから」





「…どういう意味?」





何とも言えない空気の中、七海が出て行ったのか医務室のドアが閉まる音が後ろの方で聞こえる。




「別れたんだ、昨日」





こんなことになると分かっていたならば、昨日あんな話などしなかったのに、彼女を抱きしめ離さなかったのにと、そんな自分勝手なことを思う。




彼女の手を離し、その翌日にこんなことが起きるなど誰が予想した。けれど今、そんなことをいくら考えたとしても無意味だ。時間が巻き戻る訳でもなければ、自分が過去に行けるわけでもない。
ましてや…自分が選んでもらえるわけでもないのに。



「何で、あんた達上手くやってたじゃん」




硝子はこちらを見つめていた視線を外し、ふぅと小さく溜息を吐き出すとスカートのポケットから飴玉を取り出しそれを口へと放り込んだ。その姿は特段驚いているというわけでもなく、けれど納得しているようにも見えない。





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