• テキストサイズ

【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第29章 本当は









勢いよく医務室の扉を開けば、目の前の光景にドクリと心臓が強く音を上げた。ベットに横たわるその姿に、思わず拳を握りしめる。





「二人の容態は」




ベットサイドでカルテを書き込んでいた硝子がこちらへと振り返り、そしてまたカルテへと視線を戻す。



「生きてはいる」



「どういう意味だい、もっと詳しく」




話しながらもベットへと早足で近づきその顔を覗き込む。大きな傷は硝子が治したのだろうが、細かな傷が顔や手足を覆うようにあって、所々ガーゼが貼られている。顔は青白く正常に血液が循環しているとは到底思えない。




昨日の彼女の表情を思い出す。別れを告げた時のあの顔が、頭に浮かんでは消えてくれない。




別れを告げたのは自分からだった。もうこれ以上彼女を縛り付けるわけにはいかないと、そんな正当性を求めるようなことを自分に言い聞かせて彼女の手を離した。自分は用済みだと理解している。相思相愛の二人を邪魔しているのは自分だと。




それなのに、本当は死ぬほど手放したくなんてなかった。



何が正しかったのか自分で答えすら出せていないこの状況で、ベット上で眠る彼女を見て頭がおかしくなりそうだった。




理性も感情も本心も、今この目の前の現実の中では何の意味もなさない。




「さっきまではかなり危険な状態だった、二人とも死ぬ一歩寸前だったよ。特にエナは腹に穴が空いてて反転でも治せるか分からないレベルだった。どうやら灰原を庇ったらしい。エナがいなかったら冗談抜きで灰原は死んでただろうね」






/ 652ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp