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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第29章 本当は





「…原因療法?」




「呪霊を狩るんじゃなくて、呪霊の生まれない世界を作ろうよってこと」




「…っ」




「少し授業をしようか。そもそも呪霊とは何かな?」




「人間から漏出した呪力が澱のように積み重なり形を成したモノです」




「その通り、すると呪霊の生まれない世界の作り方は二つ。一、全人類から呪力をなくす。二、全人類に呪力のコントロールを可能にさせる。一は結構良い線行くと思ったんだ、モデルケースもいたしね」




「モデルケース?」




「君もよく知っている人さ」




「禅院甚爾、天与呪縛によって呪力が一般人並みになるケースはいくつか見てきたけど、呪力が完全にゼロなのは世界中探しても彼だけだった」




禅院甚爾…理子ちゃんを殺した人だ。そして、傑先輩と五条先輩を意識不明にまで追いやった男。





「彼の面白い点はそれだけじゃない、禅院甚爾は呪力ゼロにもかかわらず五感で呪霊を認識できた。呪力を完全に捨て去ることで肉体は一線を画し、逆に呪いの耐性を得たんだよ彼は。正に超人、負けたことは恥じなくて良い。彼を研究したかったがフラれてしまってね、惜しい人を亡くしたよ」




…天与呪縛。あの一件から少し調べてみたけれど、禅院甚爾はまるで私達とは別次元の人間だとすら思った。




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