第26章 極秘任務
高専に着いた瞬間車から走り出した。背後からは七ちゃんと雄ちゃんの私を呼ぶ声がする。
右手には五条先輩から貰った鎌を。左手には鉛玉をいくつも握りしめ力を込める。
高専結界内である長い長い石畳の階段を登り切ったその光景を見て、私は一瞬足を止めた。
辺りは呪詛師の放った低級の呪霊が腐るほど飛んでいる。視界を埋めるほどの量だ。高専所属の何人もの術師が対応にあたっているようだが、処理しきれていない。
地面は大きくえぐり取られるようにしてその場を荒らし、傑先輩の大型呪霊で出来た傷なのか、五条先輩の規格外な術式の影響か想像もつかないその破壊っぷりに、ゴクリと唾を飲み込み眉間にシワを寄せた。
これは、ちょっとやそっとの戦いなどではない。先輩達がこれほどまでに暴れたのだとしたら、その相手は相当な実力者だったはだ。
胸が不安で押し潰されそうだ。
本当ならば今直ぐにでも医務室に行きたい。それでも私達がここに戻って来た目的はあくまで今目の前に溢れるほど飛んでいるこれらを祓うことで…傑先輩へと会いに行くことじゃない。
それならば…早く終わらせる他ない。
私は次々と鉛玉を上空へと思い切り投げつけると、それらを爆破していく。
ドンドンっという音を上げ空中に飛んでいた虫型をした呪霊は散り散りになっていく。が、この程度の爆発ではたかが知れている。広範囲へと一気に爆発をしなくては。