第26章 極秘任務
私がその連絡を受けたのは、空港で無事先輩達と星漿体である天内理子ちゃんを見送って数時間した後のことだった。
空港からそのまま別任務へと付いていた私達は、任務後何やら慌てた様子の補助監督さんによってその事実を知らされた。
理子ちゃんが死んだ。
つまり、先輩達の任務は失敗したということ。たった数分一緒にいただけだけれど、彼女の知らせを受けて心が酷く動揺する。傑先輩は大丈夫だろうか…五条先輩は大丈夫なのか。私ですらこうなんだ。きっと二人は今…
高専内は呪詛師が放った蝿頭(ようとう)で溢れかえっているらしい。私達それを祓うために至急収集されたわけだが、補助監督が口を開いた瞬間、私は言葉を失った。
「夏油君が意識不明の重体だそうです」
「……………え」
「高専に着き次第、蝿頭の対応についてもらいますが気を抜かないで下さい」
…聞き間違いだろうか。
だって、そんなはずがない。傑先輩が意識不明の重体だなんて…そんなわけ…ないでしょ。
変な動悸がする。息が苦しくて心臓が痛い。
頭がボーッとして、補助監督の声がやけに遠くに聞こえた。