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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第25章 納得





腹が立つ。苛立ちのせいか喉の奥から何かが迫り上がってくる感覚。




傑先輩と硝子先輩は以前五条先輩をボンボンだと言っていた。五条家次期当主として大切に育てられてきた。それなのにも関わらず何も知らない子供なのだど、呪術以外何も知らず教えてもらえず育った子だとも言っていた。ほっとけない部分があるのだと。




確かに違和感は沢山あった。高専に入る前はラーメン屋やファミレスに行ったことが無かったというのも。



友人や先輩後輩の関係性を理解していなかったのも。七ちゃん曰く軽薄で空気の読めない発言をする人だというのも。





それを全て理解出来たような気がした。こんな環境にいたならば…それはそうだろう。むしろ、腐らなかった五条先輩は凄いとすら思えた。





「五条先輩、怒らないでね」




「あ?」





私はそれだけ言うと、足元にある砂を鷲掴みにしそれらにグッと力を込め空中へとばら撒いた。




我慢の限界とはこういうことか、と砂を投げながらそんなことを思う。




瞬間、ばら撒いた砂らや小石がパチパチとまるで火花でも散らすようにして小さな爆発を起こしていく。砂へと呪力を込めたのだ。





立ち込める煙、パチパチと爆発し続ける砂。威力は無い、それでも目眩しくらいにはなる。こんな場所でさすがに大きな爆発を起こすわけにはいかないだろうから。





私はそのまま五条先輩の腕を強く引くと勢い良く走り出した。




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