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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第25章 納得






でも私達にとってはこれが普通で日常なのだ。むしろ呪いが見えないことが非日常ですらある。




「何か言われた?そいつらに」





五条先輩もそんな経験があるのだろう。きっと呪術師をしていれば誰しもが通る道だ。





「言われた訳じゃないよ…ただ私を見て怖がってたと思う」





そう、直接何が言われた訳ではない。それでも助けてあげたのに…何故…と思わずにはいられなかった。多分、悲しかったんだと思う。バケモノでも見るような視線で見つめられたことが。





「俺達は別に正義の味方じゃねぇ、まぁ悪でもねぇけどな。いや違げぇか、上の爺いどもは悪だな」




ケラケラと笑く五条先輩の声が耳へと届く。呪術界の上層部を爺い呼ばわりするなんて怖いもの知らずなこの人くらいだろう。





「バケモノで結構、俺らは凡人じゃねぇ特別なんだよ。意味なんてねぇ、呪霊を祓うことに。そんなもん考えたらキリがねぇからな。俺はただ俺がやりてぇようにやる」





俺らは特別だ、俺はただ俺がやりたいようにやる。何て五条先輩らしい言葉だろうか。その言葉がやけに真っ直ぐすとんと胸に落ちてくる。




「やっぱ五条先輩ってすごいね」




「はっ、今さらかよ」




「ふふっ」





先ほどまでの意味のない虚しさが消えて無くなっていく。





「ほら、迎え来たぞ」



「うん」





呪術師はヒーローなんかじゃない、だけれど私達は特別だ。






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