第25章 納得
別に避けていた訳では無い。それでも何処か気まずさはあって…だってそれはそうだろう。あんなことがあったのだから…五条先輩が何を考えているのか分からないと、あの日何度思ったことか。
でもだからと言って、その流れで避けるほど私に度胸も根性もありはしない。
ここ最近五条先輩に会えていなかったのは、五条先輩も傑先輩も忙しなく任務へと駆り出されていたからだ。
あの日の罰とでも言おうか。傷だらけの二人はもちろん夜蛾先生にバレた。私レベルの人間が何かやらかしたら謹慎で済むだろうところだが、あの二人は謹慎なんかしたら万歳とばかりに喜ぶだろうとそんなことを先生達は思ったらしい。五条と夏油には罰として各自任務を詰め込もう、とそう考えたのだろう。
二人は朝から晩まで忙しそうに任務へと向かっていった。普段ならば二人でぐちぐちと面倒だ何だ言いながら駄々をこねるところだろうが、喧嘩していたため幸いにも二人がグチをこぼすことはなく任務へと向かっていたそうだ。
そう硝子先輩が教えてくれた。
五条先輩とは会わない日々が続いていたけれど、でも逆に傑先輩と会う時間は今までよりもはるかに増えた。傑先輩だって忙しいはずなのに。今までも時間があれば時折会いに来てくれていたけれど、皆んなに付き合っていると言ってから隠れてコソコソする必要が無くなったからだろうか、任務の合間や任務後の夜毎日少しでも時間が出来れば私に会いに来てくれる。