第24章 告げる
「二人とも…顔が…」
顔がこんなにも腫れ上がり青タンを作っているんだ。きっと身体にも怪我をしているはず。
「平気だよ、大したことないから」
傑先輩は不安気に見つめる私の頭を撫でるといつも通りの笑顔を向けた。隣からは五条先輩の視線を感じる、それに合わせそちらへと振り向けば五条先輩はその碧色の瞳で私を見つめ、何か言いたげに口を開いたかと思うと、そのまま何も言うことなくスッと視線を逸らす。
え、何…?
今何か言おうとしてた…
「家入さん呼んで来ますか?」
雄ちゃんの気遣う言葉。
「大丈夫、きっと理由が理由なだけに治してはくれないだろうからね。それに、良いんだこのままで」
「こんくらい大したことねぇ」
五条先輩はそう言うとさっさと歩き出してしまった。それを追いかけるようにして雄ちゃんも五条先輩の後を付いていき、七ちゃんもため息を吐きながらそれについて行く。
「傑先輩、医務室行こう。手当てした方が良いよ」
本当は五条先輩もそうした方が良いだろうけれど…今は遠ざかっていく背に声をかける勇気がない。さっきのことがまだ頭の中で生理しきれていないからだ。
「大丈夫だよ」
「だめ!だって血出てるし腫れてるよ」