第24章 告げる
五条先輩の胸元をグッと押す。
「何とも思ってないわけない…そんなわけ…ないよ…」
それでも、私達の関係が終わったことに変わりは無いじゃないか。
「平気なわけないじゃん」
きっと私は今、とんでもなく酷い顔をしているだろう。そんなことは鏡など見なくても分かる。
頬がひきつれて、今にも涙は零れ落ちそうだ。それなのにも関わらず、無理に笑顔を見せずにはいられなかった。強がりだ、私の精一杯の強がり。
喉が焼けて吐きそうだ。馬鹿みたいに熱を持ち、鼻の奥がツンとする。
五条先輩を精一杯の下手くそな笑顔で見上げれば、先輩はそのゆらゆらと揺れる碧を見開き、そして次の瞬間には眉間にグッとシワを寄せた。
「…んだよそれ」
それは私の台詞だよ…先輩
何故…何故こんなことになったのだろう。もう胸の中全てがぐちゃぐちゃだ。
答えなんて出そうにはなかった。
この胸の中の痛みと、苦しいばかりの感情に。
きっと答えなどないのだと、そう思いたかった。