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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第23章 はじめての





オムライス屋さんでは昼食を取ってパフェまで食べた。食後私はパフェを、傑先輩はコーヒーを頼んで、私がパフェを頬張るのを嬉しそうに先輩はずっとニコニコと眺めていた。




会計をする時にはお財布を取り出した私を傑先輩がやんわりと止めて「っでも」とそんな言葉を漏らせば「この店の物全て頼んでも平気なくらいには稼いでいるから」とそんな言葉と共に爽やかな笑みを見せてお会計を済ましてくれた。




一級呪術師以上の術師は、それ以下の術師よりもはるかに任務の負担は大きい。それに伴い給料も大幅にアップするとは聞いていたけれど、こんな台詞をサラリと言って退けてしまう高校生などそうはいないだろう。




ましてや親が社長だとかそんな贅沢な立場の人間ならまだしも、傑先輩は己でそのお金を稼いでるのだから尚更に。




カフェの後は買い物をしにスポーツ店へと向かった。今思えば初デートでスポーツ店って色気も何にもないなと思う。けれど、最近体術に力を入れている私のジャージはすでにボロボロで、なんなら五条先輩に投げ飛ばされた拍子に上着は穴まで開いた。




その話をすれば「それは早く買いに行った方が良いね」と言ってくれた傑先輩のおかげで買いにこれたわけだけれど、やっぱりもっと可愛らしいお店にするべきだったかもなんて思う。




でもそんな私の気持ちを知ってか知らずか、傑先輩は優柔不断でなかなか決めきれずにいる私に「こっちの色の方が似合いそうだ」とか「このデザイン可愛いね」とかそんな的確なアドバイスと共に真摯に向き合ってくれるものだから、とても楽しい買い物になった。





デートってこんな感じなんだ、想像よりもずっと、凄く楽しい。





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