第21章 眩しい
唖然としたままその場に立ち尽くしていれば、五条先輩はさっさと歩き出し職員室を出て行ってしまう。
え、うそ…
今までならば、今頃飛び跳ねて喜んでいただろう。でも今はそんな訳にはいかない。
そして何より、五条先輩の方がこの関係を終わらせたのにも関わらず…何事も無かったかのように振る舞うその姿が私には痛かった。
本当に私は先輩にとって取るに足らない相手だったのだと、そう現実を突きつけられているようで。
不用意な優しさはいらない。それでも、五条先輩が私を可愛い後輩だと思い面倒を見てくれると言うのならば、私はそれを受け入れるべきだ。
五条先輩と今後先輩後輩として、まるで何事も無かったかのように接して行くのならば尚更。
私は、五条先輩への気持ちを封じ込め後輩として仲良くして行くべきだから。
それが例え、とても難しいことだとしても。
愛の反対は無関心だなんて言うけれど、まさかこんな所でそれを感じることになるとは。
五条先輩はある意味私に無関心なのだろう。
だって今までの2人の時間を無かったモノに出来たのだから。
「…苦しいな」