第21章 眩しい
「いや、その…先輩にご迷惑をおかけするわけには…」
「お前達そんな遠慮し合う間柄だったか?」
そう言われてしまえば言葉につまる。呪術高専の良い所は、生徒数が極端に少ないかわりに学年問わず仲が良いという面だ。いやまさかそれが今こんな所で問題になるとは…
そして先ほどから一言も話さない五条先輩も気になる。いつものらは「雑魚が最強の俺について来れんの?」とかなんとか言ってくる場面なのに。
そもそもそんなこと面倒だと五条先輩が断ってくれればこの話もここで終わる。
黙りとただ私の隣で立ち尽くしている五条先輩へとチラりと視線を向ければ、そんな私に気が付いたのだろう先輩はこちらをジッと見下ろした。
「何、俺に教わるの嫌なの?」
「そういうわけじゃ…」
「なら決定な。明日から時間あるときやるぞ」
「えっ」
うそ…だろう。断られるどころか明日からやることになった!?ちょっと待って本当に!?五条先輩がこんな面倒なことをサラリと受け入れるなんて普通じゃない。
「五条先輩本当に!?」
「嘘言ってるように見えんのかよ」
「そうじゃないけど!だって五条先輩こういうの面倒くさがるじゃん」
「後輩が強くなる為なら協力は惜しまねぇ」
いや、それこそ五条先輩らしくないんですが…後輩と仲が良く実は優しいのも理解している。それでも弱い奴は置いて行く。それが嫌なら認められるくらいに強くなれ。五条先輩は間違いなくそんなタイプだ。それなのに何故…