第21章 眩しい
何だか重い鉛玉でもついたような感覚のまま部屋へと戻った。
苦しくて辛いはずなのに、久しぶりに五条先輩に会えた喜びが少なからず胸の奥底にはあって、それがまた私を泥水の底へと落としていくようだ。
自身が脳内で考えている感情とは矛盾した感覚。もう、自分で自分が分からなくなりそう。
項垂れるようにしてベッドへとダイブすれば、溢れ出る溜息を堪え切れず大きく息を吐き出した。
明日から…どうしたら良いの…
どれほどそうしていたか分からない。明日への不安と自身の矛盾した感情に振り回されるようにして深く目を瞑っていれば、しばらくしてポケットに入れていた携帯が音を上げた。
それをのそのそと片手で取り出し顔の目の前へと持って行けば、メッセージは雄ちゃんからだ。
任務が今終わったという事と、解呪して良かったとそんな内容のメッセージが来ている。その画面をぼーっとしながら見つめ、不意にあることを思い出しハッとしたように勢い良く上半身を起こす。
「そうだ!傑先輩にメールする約束してたんだ!!」
早々と雄ちゃんへの返信を送ると、今度は傑先輩へとメッセージを送る画面を急いで開く。
五条先輩のことを考えていて傑先輩との約束を忘れるなんて最低だ。でもどうしよう、なんて送れば良いのだろう。
五条先輩に修行をつけてもらうことになったと、そう伝えるべきなのだろうか。