第21章 眩しい
そのままの足で七ちゃんと雄ちゃんの部屋に向かうが、まだ二人は帰って来ていないようだった。とりあえず解呪したことを連絡しておこう。もちろん迷惑をかけて申し訳なかったという内容も添えて。
あとは担任に伝えなくてはと職員室へと向かい、古く重くなった扉をガラガラと音を立て開けば「失礼します」と声を出したところで、目の前の光景に思わず足を止めた。
私の視界に一番に入り込んだ白。
美しいばかりの白銀の髪。
そしてこちらを見据える美しい碧がサングラス越しでもよく分かる。
五条先輩だ。
まったく、いつまで自分は五条先輩の姿に動揺し、一喜一憂すれば気がすむんだ…本当にもう…そんなことは辞めないといけないのに。だって私の恋人は傑先輩なのだから。
どうやら五条先輩は遠出の任務を終え帰って来た所のようで、私の声に反応した五条先輩と夜蛾先生がこちらへと視線を寄越した。
「解呪したのか」
私の姿を見るなりそう声をかけてきたのはもちろん夜蛾先生だ。そのまま入り口の目の前に立っている訳にもいかず、夜蛾先生の方へと歩いて行くと五条先輩の隣で立ち止まる。
「あ、はい。無事に解呪しました」
「そうか、なら明日からは通常任務に戻れるな」
「ご迷惑をおかけしました」
「それはそうと、丁度良かった。前に体術を強化したいと言っていたな、五条が見てくれるそうだ」
「へ?」
「まぁコイツはなかなか忙しいからな、空いている時間だけだろうが。なぁ、五条」