第21章 眩しい
硝子先輩を見送り戻ってきた傑先輩はベッドに座っている私を見ると、にっこりと笑顔を作る。
この笑顔を見ると安心するのは何故だろう。
「傑先輩ご迷惑おかけしました!色々ありがとう」
「いいや、構わないよ。むしろ私は…」
傑先輩が私の隣へと座ったことにより、ギシリとベッドのスプリングが鳴る。
「もう少し一緒にいたかったけれどね」とそんな色っぽい声を耳元で囁くと、妖艶にクイッと口角を上げた。
いや、本当にこの人はもう…どこまで色気に溢れているんだ。
自分の一つ年上だとはとてもじゃないが思えない。本当に十代なのだろうか。同い年の七ちゃんも、高校生にしてはやけに大人びてはいるが、この人はそんな比ではないだろう。
熱くなっていく体温を感じながら、誤魔化すようにし慌てて口を開く。
「これからは、いつでも…その、一緒にいられるよ」
そんな私の発言が傑先輩は予想外だったのだろう、一瞬間を開けたあと嬉しそうに瞳を細めると「そうだね、とても嬉しいよ」と私の頭をぽんぽんと撫でた。
「私、先生達と七ちゃん雄ちゃんに解呪したこと伝えて来ないと」
さっきまで散々ひっついていたにも関わらず、何故だか今この空間にいるのがやけに気恥ずかしくて勢い良く立ち上がれば「もう行ってしまうのかい、残念だ」と傑先輩が寂しそうな顔をするものだから、後ろ髪を引かれる思いのままグッと足に力を込める。