第21章 眩しい
私の突然の大声に硝子先輩はもちろん、傑先輩も驚いた様子で。だけれどしばらくして硝子先輩はニコッと微笑むと「おめでと」とそんな言葉をくれた。
それに嬉しくなって「ありがとうございます」と笑顔を返せば、今度は硝子先輩は傑先輩へと「良かったじゃん夏油、念願叶って」とニヤニヤとした表情で傑先輩へと視線をやる。
けれど傑先輩はまだ少し驚いた表情のままで、硝子先輩の言葉はスルーして私とパッチリと視線が絡み合うと、それはそれはどこまでも嬉しそうに笑顔を綻ばせた。
「嬉しいな」
「え?」
「まさかそっちを選んでくれるとは思っていなかった」
どうやら傑先輩は、硝子先輩へ付き合っていることを言わないものだと思っていたらしい。それはそうだ、私の気持ちが整理出来ていないということは傑先輩が一番よく分かっているだろうから。
でも、だこらこそ、傑先輩のこんなにも喜ぶ顔を見て、やっぱり言って良かったとそう思えた。
「はは、夏油のこんな嬉しそうな顔初めてみたわ」
「当然だろう、やっと付き合えたんだ」
「良かったじゃん。お似合いだよ、あんた達」