第21章 眩しい
「そうだったんだ、良かった」
数日かかると思っていたからか、思ったよりも早い解呪にホッと息を吐き出す。
「それじゃあ私は行くよ、お疲れー」
「あぁ、ありがとう硝子」
「ありがとうございました!」
私達へとひらりと手を振った硝子先輩は報告書を片手に持っている。恐らく任務後直ぐに来てくれたのかもしれない。
「あ、そうだ」
ドアへと手をかけた硝子先輩は、そう言って一度足を止めるとこちらへと振り返った。
「もしかして二人、付き合うことになった?」
「えっ」
「何か雰囲気がそうなのかなーと思って」
突然のそんな言葉に思わず口をつぐんでしまう。いや、だってまさか…こんな数回言葉を交わしただけでまさかそんなことを言われるなんて思いやしないだろう。
驚いたように硝子先輩を見てから傑先輩を見つめれば、傑先輩はこちらを見つめて優しく笑みを作った。
恐らく、ここで付き合っていることを言うのも言わないのも私に任せるという意味なのだろう。
だって私はまだ五条先輩を好きなままだ。もちろんそれは傑先輩も分かっていて、だからこそ他の人達に私達が付き合うことを言って良いのか傑先輩は私に任せてくれたのだと思う。
正直、五条先輩に自ら伝えるつもりはもちろんない。それでも、隠しておく必要があるともそれは思っていない。
だってそんなの…ズルイじゃないか。