第21章 眩しい
ベッドへと傑先輩が寄りかかるようにして座り、そして足の間に私を座らせるとそのまま背後からぎゅっと抱きしめる。
午前中は二人で手を繋いだまま映画を見た。談話室に置いてあるもはや誰のかも分からない乱雑に置かれた物の中から持ってきたDVDだ。
お昼の前には、夜蛾先生に暇ならやっておけと出された課題をこなした。先生達には悪いが、傑先輩の方が勉強を教えるのが上手い気がする。分からない問題も傑先輩に教えて貰えばスムーズに解けてしまうし、飲み込みも早くなったと思う。
食事は皆んな任務で出払っていることもあり、特段気にすることなく食堂で取れた。メニューは寮食の中でも人気な回鍋肉定食だった。
15時頃になると、ずっと部屋にいたせいか…はたまた傑先輩の穏やかさにあてられたのか眠気が急に襲ってきて、そんな私の様子を見た傑先輩の提案でお昼寝をすることにした。
ベッドで二人何気ない話をしながらいつの間にか意識は夢の中へと羽ばたいていく。
傑先輩の腕の中は心地が良い。
緩やかに流れていく空気に癒され満たされる。
「おやすみ」そんな優しい声と温かい体温とともに、私は安心した気持ちで瞼を下ろした。