第19章 可愛いひと
たった一歳さだ。だけれどそこには大きな差があるように思える。傑先輩が大人っぽいからだろうか。それとも自分が子供っぽいからかな。
「傑先輩が私達と同い年だったら、きっと私と雄ちゃんに優しくツッコミを入れる担当ですね!七ちゃんは冷静なツッコミ担当なので」
「ふふ、そうかな?」
「うん、何か想像出来る!それで私がもし傑先輩の同い年だったらーどうかな?何担当かなぁ」
「何かしらの担当性なんだね」
クスクスと笑いながら口角を持ち上げる傑先輩は凄く楽しそうで、この穏やかな空気がやはり凄く落ち着くなとそう思う。
「でも、もしエナが同級生だったら私は困ってしまうかもしれないな」
「ん?何で?」
「だって君が毎日教室にいたらドキドキしてしまうだろう。それに、任務ではカッコイイところを見せないとって張り切りすぎて夜蛾先生に怒られてしまうかもしれないからね」
ふふっと、うっとりとしたように色っぽい声を出しながら笑う傑先輩にどうしてだか痛いほどの胸の高鳴りを感じた。心臓が壊れそうなほどにぎゅっと、それなのにトクトクと心地良い高鳴りにも感じる。
今まで感じていたドキドキと鳴る胸の音とは違う。
何だか胸を撫でるような優しさと、そしてふわふわとした感覚に包まれたような気がした。