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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第19章 可愛いひと




ガラガラと木製の扉を開ければ、広々とした教室の中に三つ机が横並びになっている。



私の席は真ん中でそこにノートと教科書を置くと、隣の雄ちゃんの椅子を引っ張って来た傑先輩が私の席の目の前へと座った。



教科書とノートをめくりペンを走らせる。そんな私の姿を傑先輩は穏やかな表情で見つめていて、何だか少しだけ緊張する。問題間違えたら恥ずかしいな。



そんなことを考えながらもしばらくすれば分からない問題が出てきて、それを傑先輩に聞けば先輩は分かりやすくスラスラと説明してくれた。傑先輩って頭も良いんだよね。おまけに分かりやすいようノートに書いてくれた説明文の文字は信じられないほどに美しい。



ペンを握りペラペラと教科書をめくる姿でさえ、傑先輩は絵になる。



「ん?どこか分からない?」



「ううん、そうじゃなくて。何だか不思議で」



「不思議?」



「傑先輩がこの教室にいるの」



生徒数の少ない高専生は基本皆んな仲良しで、学年問わず各自の教室へと遊びに行くこともある。だけれどこんな風にして傑先輩と机を囲み二人で勉強をしているのは初めてで、何だか凄く不思議だ。



「ふふ、何だか同級生になったみたい」



小さく笑みを作りながら目の前に座る傑先輩を見つめそう呟けば、傑先輩はそんな私を見て優しく微笑みながら穏やかな声を落とした。



「確かにそうだね、同級生みたいだ」




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