第19章 可愛いひと
「皆んなでご飯でも食べに行こうか」
「良いですね!!」
「傑の奢り?」
「後輩の分は奢るけど、同級生の分はもちろん奢らないよ」
「ご飯行くなら硝子先輩に電話しないとね」
「家入さんなら別件の任務が夜から入ってるって言ってましたよ」
「そうなの?じゃあダメかぁ」
そっか、だからさっき部屋に戻ったんだ。夜の任務のために仮眠に行ったのかもしれない。
硝子先輩は呪術師の中でも貴重な反転術式の持ち主だ。こうして個別で任務に向かうことも少なくはない。戦闘ではなく、他の任務や医療関連の業務などで引っ張りだこだからだ。
「どこ行きます?ファミレスかラーメン屋とか?」
「この人数ならファミレスが妥当かもしれないね」
「ですね!ファミレスまで走って行きます?ランニングがてら!」
「雄ちゃん元気だねぇ」
「いや、本当お前元気っ子だな」
「ははっ!よく言われます!」
「まぁ今日は、体術の授業も任務も無かったし良いんじゃないか?」
「マジかよ」
「私は歩きで」
「七海も走るに決まってるだろ!ね!エナちゃん」
「私もどちらかというと歩きたい派だよ?」
「えぇ!!」