第18章 当たり前
「僕もうお腹はち切れそうー」
「私も…今お腹押されたら全部出る」
「あなた達二人は食べすぎなんですよ。加減てものを知らないんですか」
「だって七海の味付けが最高でさ」
「うんうん、七ちゃんいつでもお嫁に行けるよ」
「何馬鹿なことを言ってるんです」
呆れたように溜息を吐き出す七ちゃんを横目に、お腹をさすりながら食べ終えたお皿を重ねる。
「…灰原、寝てますね」
「え!?さっきまで起きてなかった??」
「いつどこでも寝れるのが灰原の特技ですからね」
「それにしても早すぎない?」
「疲れていたんでしょう、しばらく過酷な任務続きでしたからね」
七ちゃんの部屋のベッドへと背を預けながらすーすーと気持ちよさそうに寝息を立てている雄ちゃんに、自分が着ていたパーカーをそっとかける。うん、確かにここ数日はとんでもない忙しさだった。
七ちゃんは空っぽになった土鍋を、私は食器を手に取るとなるべく音を立てずそれを持って部屋を出た。食堂へと後片付けをしに行く為だ。