第18章 当たり前
まだ十代。そう、私達は花の高校生だ。
まぁもちろん、普通の高校生とは天と地ほど生活環境に差はあるわけなのだが…
私達だってやりたいことはある訳だし、楽しみたい気持ちだってもちろんある。例えそれが疲れてヘロヘロでとっくに限界など越えていたとしても。それでもやはり私達はまだ学生で、それなりに青春をたのしみたいのだ。
高専へと戻り食堂で余った食材をもらって鍋をささっと作る。もちろん味付けをしたのは七ちゃんだ。適当な私と雄ちゃんには任せられないと七ちゃんが目を光らせていたから私と雄ちゃんは大人しくその光景を見ていた。
疲れていると言っていたのに、こうして何だかんだいつも一緒に楽しんでくれるそんな七ちゃんが好きだ。いつも楽しいことを考えてくれる雄ちゃんが好きだ。
こうして三人一緒にいると、嫌なことも忘れられる。疲れていたことも、呪いを相手にしている現実も。全てを忘れて笑顔でいられる。
この三人でいられる時間が好きだ。
常に死と隣り合わせの世界にいても笑顔でいられているのは、二人の同期のおかげだ。これから先も、欠けることなくこの三人で共に居たいとそう思う。
それが例え必ずしも保証の出来る未来で無かったとしても…そう願わずにはいられない。