第18章 当たり前
「それね!!お腹空きすぎて気持ち悪いんだけど!」
「僕も!もう限界超えてるから!」
「声が大きい…もう少しボリューム下げて下さい」
「七海はお腹すいてないの!?」
「すいてますけど…それより今はゆっくりしたい」
「七ちゃんそんなんだから細いんだよ!先輩達にもやしとか言われるんだよ!」
「あの人達がゴリラすぎるんでしょう」
「まぁそれもそうだ」
「確かに。あの筋肉はどうやったらあぁなるのか、僕も不思議で仕方なかったんだよね。あ、ねぇねぇそれより帰ったら鍋パーティーしない?明日久しぶりの休みだしさ!」
「いや、疲れてるんですが…」
「七海ノリ悪いなぁ!ね、したいよね!エナちゃんっ」
先ほどまでの疲れ切った気絶寸前の顔付きとは違い、キラキラとした瞳でこちらを見つめてくる雄ちゃんはすでに鍋パーティーの想像でもしているのだろう、ゴクリと唾を飲み下す。
そんな姿を見たらこちらとて美味しそうな鍋の想像をしないわけにもいかず、脳内に浮かんできたほくほくの鍋を想像しながら「食べる!!」と私は大きな声で叫んだ。