第18章 当たり前
「まぁ実力だけはありますからね、あの二人」
七ちゃんが興味なさそうにお茶を啜りながら小さく頷いた。
そっか、京都か…京都に行ったんだ。
想像もしていなかった展開に、肩に入っていた力が少しだけ緩んでいく。
これで良かった…のかもしれない。物理的に距離が離れているのならば、少しは苦しさを紛らわすことが出来る。
五条先輩のことで胸が締め付けられる思いをしなくて済むし、傑先輩のことを考えて、まるでモヤがかかったみたいな気持ちにもならなくて済む。
そう思えばこれはチャンスだ。任務に没頭して祓って祓って祓いまくって、そうすれば少しは心が軽くなるのかもしれない。
それが今の私の最善なのかもしれない。
例えこれが現実から逃げるような行為だとしても、それでも私に取っては今はこれが精一杯で…そして唯一出来ることなのかもしれない。