第18章 当たり前

制服へと腕を通し、冷水に顔を叩きつけるようにして顔を洗う。ひんやりとした感覚のおかげか腫れていた瞼と酷いクマはいくらかマシになったように思う。



食堂に行けばきっと先輩達がいるかもしれない…



だけれど今日は二年3人一緒の任務だ。二年になり自分達の呪術師としての等級が上がってからというものの、3人一緒の任務はかなり減ったと思う。各自で任務をこなせるレベルの呪術師になったということだ。



だけれど今日は違う。3人で任務なのだ。



3人任務が一緒の時は決まって朝食も一緒だ。出発時間が一緒なのに私が行かなかったらきっと七ちゃんも雄ちゃんも不思議に思うだろう。



そもそも先輩達に会うのが気まずいからと言って、避けるわけにはいかない。そんな事をしたって何の意味も無いからだ。



いつまでも避け続けるわけにはいかないのだから…




きっと一度避けてしまえばその次はもっと気まずくなるはずだ。どんどんどんどん会いづらくなって…そしていつかは会うことすら怖くなるかもしれない。



私は乱れた髪を整えるとはぁと小さな溜息を吐き出したあと、パンっと強く両頬を叩いて部屋の扉を開いた。