第16章 その気持ちが
七ちゃんと雄ちゃんと買ってきたプレゼントは他にある。これはあくまで私からのプレゼントだ。
傑先輩には感謝しきれないくらいお世話になっているし、私からも何か個別でプレゼントしたいと考えた結果がコレだった。
もちろんブランド物や傑先輩の趣味に合った物も色々考えたけれど、悩みに悩んで私はコレを選んだのだ。
あの日、傑先輩と食堂で呪霊玉の味を聞いた日から、傑先輩は約束通り私の所へとお口直しを何度か貰いに来ていたし、傑先輩を見つければもちろん私からも傑先輩のポケットがパンパンになるくらいお菓子を渡した。
その度傑先輩は「こんなに食べきれないよ」とクスクス笑いながらも嬉しそうで、私はそんな傑先輩の姿を見たくて傑先輩がどこにいるか毎日キョロキョロと探していたほどだ。
だけれどやっぱお互い多忙なだけあって、もちろん会えない時もある。多分下手すれば10日くらい会わない時だってザラにあるし、その間傑先輩に会えないことが少し不安になった。
傑先輩は大丈夫かな、あの時みたいに疲れた顔をしていないかな。苦しい思いはしていないかな。
そんな日々が何日かあって、色々考えた末にこれをプレゼントすることにしたのだ。まぁコレがあるからと言って、傑先輩の呪霊玉への嫌悪が消えてなくなるわけではないのは分かっているけれど、それでも少しくらい気を紛らわせることなら出来るかもしれない。