第16章 その気持ちが
飾り付けた写メを撮って、おめでとうというメッセージと共に傑先輩へメールを送ろうか。そう考え途中まで文字を打った所で手をピタリ止める。
こんなの送ったら、傑先輩は優しいから申し訳ないとか思わせてしまうかもしれない…なんなら任務中に嫌な思いをさせちゃうかも。
そう思うと、やはりこのメッセージは送れなくて、そのまま削除し携帯を再びポケットへと仕舞い込む。
「んー…」
普通の高校生ならば、こんなことで悩みはしないのだろうか。そもそもクラスメイトが3人先輩が3人な時点で普通ではないし、そんな合計人数が10人にも満たないにも関わらず任務で忙しすぎて集まることが困難なことも普通とは思えなかった。
華の高校生は誕生日パーティーにカラオケ行ったり食べ放題行ったりとかしてるんだろうなぁ。
そんな妄想をして、もちろん部活や勉強などで忙しい高校生はいくらでもいるだろうが、命をかけ忙しさに走り回っている学生など呪術高専の学生だけなんだろうなと思うと、やはり自分のいる世界は普通では無いのだと改めて感じた。
本当、ただでさえ普段から忙しいのだから個人の誕生日くらいお休みにしてくれよなんて毒を吐きたくなる。
「傑先輩…任務先着いたかなぁ…」