第15章 浮遊感
そんなちっぽけなことですら、私の心を満たすには十分で。まるでジェットコースターにでも乗っているかのように上っては降りて不安に駆られる毎日であったとしても、たった一日こんな日があるだけで、あっという間にまた五条先輩を好きになってしまうんだ。
ゴールの見えないマラソンのように、抜け出せない迷路のように、私は永遠に五条先輩が好きだと言うレールの上を走り続けている。
傷付こうが、嫉妬しようが、落ち込もうが、結局行き着く先はいつだって五条先輩が好きだと言うことだけで、結局はいかに先輩が好きで大好きかを心の奥底から嫌というほどに理解するだけだった。
呪術界に身を置いている以上、いつ自分が死ぬかなんて分からないんだ。それならば、後悔のないように生きたい。
私は五条先輩のそばに居たい。先輩を好きで、大好きな自分のままでいたい。
どんなに苦しい思いをしても、私は先輩を好きでいることをやっぱり辞められないのだ。
何度も同じことを考えた。そして行き着く先はいつだって同じだ。
“五条先輩を好きな自分”ただそれだけなんだ。