第15章 浮遊感
「ん、あ…っ、ごじょう…せんぱぃッ」
バシャバシャと水音が上がり、小さな水滴が身体を濡らす。
ビクビクと身体をのけ反るようにして全身を震わせれば、私の腰を強く掴んでいた五条先輩の腕の力が抜けて「はぁ…」と息を吐き出す声を遠くの方で聞いていた。
私の額に垂れていた汗を先輩は親指で拭い取ると、それを頬まで滑らせ甘い口付けを落とす。くちゅりと音を出しながら吸い付くようにして舌を絡め、そのまま唇を舐めとるようにそっと熱を離した。
「顔少し赤けェな、のぼせた?平気?」
「ん、平気…でも身体に力…入んない」
身体を襲う激しい脱力感。でもそれは、のぼせたとかそんな単純なことが原因では無くて…何度も快楽の絶頂を迎え果てたせいで身体が言うことを聞かないのだ。
足はガクガクして力が入らないし、手なんて握ろうとすればプルプルと情けなく震えている。
「ヤリコロサレタ…」
「体力雑魚じゃん」
「五条先輩が体力馬鹿なんでしょ」
「それは否定できない、まぁ傑ほどフィジカルゴリラではないけど」
「言い方が失礼極まり無い。褒めてるんだか何なんだか」